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大阪地方裁判所 昭和44年(ワ)4583号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕一、事故

請求原因第二一の事実は当事者間に争いがない。

二、責任原因

(一) 被告押条

請求原因第二二(三)の事実は当事者間に争いがなく、この事実によれば、被告押条は、不法行為者として本件事故により原告に生じた損害を賠償すべき義務がある。

(二) 被告野呂

被告野呂は、運送を業とし、被告押条がその名義で割賦払で購入している加害車の割賦代金を被告野呂振出の手形で支払い、加害車の強制保険および任意保険の保険料、車庫代、燃料代等を負担し、任意保険については自ら契約者となつていたこと、被告押条は、被告野呂宅に寝泊りし、被告野呂の指示に従つて加害車を運転して被告野呂が受注した運送業務に従事し、被告野呂が注文者から受領した運賃から一割の手数料および加害車の割賦代金、保険料、車庫代、燃料代を差引いた残額の支払を受けていたが、加害車を右業務のため運転中本件事故を発生させたことは当事者間に争いがない。

以上の事実によれば、被告野呂は、加害車の運行を支配し、その運行による利益を得ていたものと認められるから、自己のために加害車を運行の用に供していたものというべく、本件事故によつて原告に傷害を負わせたことによる損害を賠償すべき義務がある。

また以上の事実によれば、被告野呂は、被告押条に対して加害車の運転につき直接指揮監督をしていたものであり、被告押条の加害者の運転は被告野呂の職務の執行につきなされたものであると認められるから、被告野呂は、被告押条の使用者として、本件事故によつて原告が物損を受けたことによる損害を賠償すべき義務がある。

(三) 被告会社

被告会社は、運送を業としていたが、保有する車が少いため、多忙なときには自己の受注した運送を被告野呂に依頼していたこと、被告野呂は、被告会社の指示にもとづいて加害車による運送を行つていたこと、本件事故は、被告押条が被告野呂の指示に従つて被告野呂が被告会社から依頼された運送業務のために加害車を運転中発生させたものであることは当事者間に争いがない。

以上の事実に前記二(二)の事実を合わせ考えると、被告会社は、加害者の運行を支配していたものとはいえず、運行供用者としての責を負うものとはいえないけれども、被告会社は、被告野呂の職務を自らの業務の一環として利用しており、被告押条に対して被告野呂を通じて間接的に指揮監督をなしうる立場にあつたものと認められるから、被告押条の使用者として本件事故によつて原告に生じた損害を賠償すべき義務がある。(山本矩夫)

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